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ぴゅう太~さようならぴゅう太

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予想以上のボロさ

レトロPCは高い。高いから安いものを求める。安いものは壊れている事が多い。壊れているから直す。しかし、必ずしも直せるわけではないわけで・・・。今回、ご紹介するぴゅう太もその一例だ。ぴゅう太の中古相場価格はだいたい1万円前後なのだが、“使ってみたいけど、そこまでの値段を出すほどじゃないなぁ~”と、常々思っていたところに、たまたま相場の1/3程度で手に入れることができた。ところが件のぴゅう太、外装はボロボロでキーの半分は認識しない。覚悟はしていたもののあまりにもヒドイ状態の代物だった。

ぴゅう太02

さっそく我が家のPC-TV432に繋げて起動したみたところ、しっかりと起動画面が表示された。リターンキーを押すとBASICモードに移行することもできた。
ぴゅう太は中学生時代に友人の“スコさん”ことスズキくんが購入したマシンで、何回か遊ばせてもらった記憶がある。当時は、彼がなぜぴゅう太など選んだのか謎だったが、彼がぴゅう太を購入したすぐ後にMSXが発売されて盛大に嘆いていたところを見ると、どうやらあまり考えずにぴゅう太を選んだようだ。

ぴゅう太03

ぴゅう太の特徴はなんと言っても日本語BASICである。「GOTO」は「イケ」、「FOR~NEXT」は「マワレ」と、敵性言語を禁止していた戦時中のプロ野球のようだが、子供心には機械に命令してる感があって、かっちょいいと思ったのも事実だ。ぴゅう太を手に入れたかった理由も単に日本語BASICを使ってみてみたかったからである。

となれば、やはりキーボードを直すしかないだろう。ついでだから外装もキレイにしたい。いつものようにホワイトニングして~と思っていたが、あちらこちらの塗装が剥げてホワイトニングじゃどうにもならないレベル。なので、今回は初めてリペイントにチャレンジした。

分解を前提としてない造り

リペイントするには、兎にも角にもバラすしかないのだが、ここまで、チープPCの分解はMSXツインファミコンの経験があるが、ぴゅう太ほど分解、メンテナンスを考えてないマシンはなかった。分解には破壊する覚悟が必要なようだ。
ぴゅう太には、予想通りフィルムキーボードが採用されていた。これはメカニカルキーボードでは、固い基板上に回路がプリントされているのに対し、キーボード基板がフィルム状になっていて、ゴム状のキートップが押されることで通電される仕組みになっている。

本体のコネクタにフィルムの一端が挟まっているのだが、まぁ、これが外れない・・・。薄いプラスチックだけにあまり乱暴に扱うと簡単に破けてしまうので、仕方なく、はんだ付けされているコネクタを外すことにした(これが後にとんでもないことになる)。

ぴゅう太04

どうにかこうにか、コネクタごと除去し、キーボードがついたフロントパネルを外すことができた。
ぴゅう太のフィルムキーボードはMSXとはまた少し違った仕様で、フィルムがミルフィーユ状に重ねられていた。一枚目のフィルム、板、二枚目のフィルムがシールのようにぴったりと圧着されていて剥がすことはできない。
MSXなどでは、フィルムに接点復活スプレーを塗布したり、接点となる箇所に鉛筆でこするなどの技が使えるのだが、これではその技も使うことができない。メンテナンス性がまったく考えていない造りだ。

ぴゅう太05

なかなか吸い取れないはんだ

小さな電源部のコンデンサをチェックすると、液漏れが確認することができた。おそらくキーボードの不具合もこれが原因だろうと、とりあえず手持ちのコンデンサを交換。ソケットで取り外しができれば簡単なのだが、いちいちはんだ付けされているので、交換も一苦労である。
しかも、回路上に開けられた穴が極端に小さいのだ。コンデンサの足を入れたらほぼ隙間がない。隙間がないので、はんだの吸い取りうまくできない。吸い取らないから時間がかかり、回路に大きな負担をかけてしまった。

手元にないコンデンサをネットで注文して届く間、ちょうど、買い置きしていた100均のスプレーがあったので、天気の良い日を見計らって、吹きかけることに。塗装はまったくのド素人で、どうにも素人くささは否めないが、それでも元のボロボロな状態よりは遥かにマシになった。

ぴゅう太06

いざスイッチ・オン!

注文していたコンデンサも無事に届き、キレイになったフロントパネルとキーボードもコネクタごと付け直して、いざスイッチオン!

・・・何も映つら~ず・・・

原因はおそらく、はんだの吸い取りに時間をかけすぎ、回路を痛めてしまったのだろう。とくにキーボードのコネクタを外すのには大変苦労した。熱でチップが壊れたか、どこかの部分が断線したか、詳しくはわからない。もはや再分解、検証する気にもなれなかった。

ぴゅう太07

修理をしたつもりが、かえって破損させてしまうなんてことはレトロPCを扱う上では日常茶飯事だ。残されている資料が少ないレトロPCだからこそ、トライ・アンド・エラーで経験を積んでいくしかないのである。わかってる、わかってるけど、動かなかったときの喪失感は、やっぱり半端ないなぁ~(涙)

ぴゅう太コンデンサリスト

大した数ではないけれど、何かのお役に立てば・・・

電源ユニット部
10v 47uf 1
470uf 1
25v 10uf 1
47uf 1
100uf 1
220uf 1
1000uf 1
160v 100uf 1
マザーボード
25v 10uf 3
100uf 3