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またもやFE! あらら?今度はキーボードか…

キーボード編トップ

先月、無事に8801FEをお嫁に出したばかりなのだが、早くも新しいFEが我が家にやってきた。これで6度目のFEである。しかも今度はキーボード付きだ。

「どんだけFEが好きやねん!」と言われそうだが、そのとおり。私はFEが好きだ!
88後期のマシンということもあり、故障率が少く、美品も多い。今回のマシンも汚れてはいるものの、目立った傷もなく、コネクタ周りのサビも見られない。磨けばかなりの美品になるだろうと、期待をこめつつ届いたダンボールの梱包を解いて、いつものようにザカリテさんのお声を拝聴すべく、二枚のFDをドライブに差し込んだ。

我が家ご自慢のブラウン管モニター「PC-TV452」に「V2」の文字が表示されて、まずは一安心。ここでいつもならばFDがダカダカダカっと音を立てて、GAMEARTSのロゴとともに「キミ、サイテイルカイ?」の合成音が聞こえてくるはずなのだが、この日に限って、いつまでたっても声は聞こえない。画面がV2表示で止まったままだ。

「あり?ドライブの調子がいまいちかな?」と思い、湿式のドライブクリーナーを取り出し、無水エタノールをプシュッとひとかけ。10秒間空回りさせてから、再度シルフィードを読み込ませてみるも、結果は同じくV2表示で止まったまま。ならばとPCキーを押したまま起動させて、設定画面を表示させようと試みるも、やはりV2で止まる。うーん・・・こいつは、いままでに体験したことのないパターンだ。

そこでふと、FEではキーボードが正しく接続されていないと起動しないことを思い出し、本体ではなくキーボードに疑惑の目を向けてみた。試しに愛用のFHに接続されているキーボードをFEに接続してみたら、案の定シルフィードは見事に起動した。

今度は試しにFEについていたType CのキーボードをFHに接続してみる。FHでは問題なく起動したものの、まともに操作ができない状態だった。うーん・・・88のキーボードが故障しているというのは、これまた初めての経験だ。

兎にも角にもまずは分解!

さっそく電動ドライバーを使ってキーボードを三枚におろしてみる。ネジが異様に軽い。誰か一度分解した証拠だ。おそらく修理を試みたものの、諦めて閉じたのだろう。嫌な予感を受けつつ中身を見てみると、キーボード自体はサビひとつないキレイな状態だった。

専用の工具を使い、ポコポコとキートップを外すと、故障の原因はすぐにわかった。いくつかのキーが沈み込んでいて、常に押された状態になってた。これじゃあ、まともに起動するわけないわな・・・。

キートップ

右側のキートップが沈んでいるのがおわかりだろうか・・・

不調の原因はわかったものの、今度は解決方法がわからない。88や98で採用されているメカニカルキーボードをこれ以上分解したことはなかったし、果たして分解できるかどうかすらわからない。

とりあえず背面に貼られたアルミ板らしきものを剥がしてみる。すると、ハンダ付けされたキースイッチの足が出てきた。一か八かで、外してみるか。ということで、吸い取り線を使って、ハンダをキレイに吸い取り、表面からペンチで引っ張ると、思いのほか簡単にキースイッチは外れた。

キーボード裏面

キーボード裏面のアルミ板をはがす

外されたキースイッチをマジマジと見るも、ハメ殺しになっていてこれ以上は分解できる気がしない。が、ここで諦めてしまっては、貴重な88キーボードがパーツ取り用のジャンクに成り下がってしまう。それは許されない所業だ!

キースイッチと、どうにかこうにか格闘すること小一時間。スイッチ横に小さな穴を発見。精密ドライバーを差し込んで、ぐっと押して見ると、何かが外れた感触。そのままグイグイっと差し込むと、突然ポーンとキートップが外れた!

キースイッチ分解

穴ぽこに精密ドライバーを差し込んでぐいっと!

なるほど、こういう仕組みだったのねん。一度仕組みがわかってしまえば、あとは簡単。何度でもはめたり外したりができるようになった。

さて、キートップを外した状態でスイッチの中を見てみると、何やら見慣れたパーツがひとつ入っている。正式名は“ラバードーム”。お椀を逆さまにしたようなゴム製のパーツだ。
キーが押されると、カップの裏側についている通電部が、2つに別れたキーボードの接触面にふれ、電気を通す。そしてキーを離すとゴムの反発力でキートップが押し返されるという仕組みだ。

この方式では、ゴムに張力がある間は快適に使うことができるのだが、長い年月を経て、ゴムの張力が失われると、今回のような故障の原因となる。なぜ詳しいかというと、実はPC-6001mkIIでも同じ方式を採用していて、現在、流通しているP6mkIIの多くがこのゴム劣化による不具合を抱えているからだ。
P6mkIIでは、ゴムがハメ殺しとなっているので、また違った対処方法を採用しているが、その話はまたいずれ・・・

入手不可のラバードーム。ならば・・・

ラバードーム劣化していないもの、新品と交換できればこの問題は簡単に解決する。ということで、ラバードームを求めてあらゆる検索をかけてみた。
国内外のサイトを検索しまくり、かなり近いものが見つかったのだが、残念ながらサイズが全然合わない。そもそも最近のメカニカルキースイッチはバネを利用しているので、現在ラバードームは、ジョイスティックなど特別な機器でしか利用されていない。そのため、サイズのバリエーションが存在しないようだ。
しかたがないので、新品を購入することは断念し、いまあるものを復活させる方向ですすめることにした。

ゴムの張力が失われる原因は、ゴムの硬化である。なので再び柔かくしてやれば張力は戻るはず!ということで、明らかに動きがおかしいキースイッチを外して、ラバードームをモミモミとほぐすことから始めた。

ラバードーム

グリスを塗ってひたすらモミモミ!

なんとも原始的なやり方だ!と思うだろうが、これが意外にも効果バツグン! さらに滑りを良くするため、シリコングリスを少量塗って、さらにモミモミ! 途中何度も反発力を確認しながら、再び組み立ててみた。

いくつかのキーは若干弱さを感じるものの、すべてのキースイッチが正常な状態に戻った! 意気揚々と組み立て、ラバードームと格闘している間、キッチンハイター漬けにしておいたフロントパネルを回収して、組み立てる。そして、FEを使って再度、ザカリテさんを呼び出してみると、今度は見事に起動することができた!

修理後

沈んでいたキートップが見事に復活^^

キーボードが壊れているというのは初めての経験だったので、ちょっと焦ったけれども、蓋を開けてみれば、そんなに難しくなかった。貴重な周辺機器やパーツを少しでも有効活用するためにも、簡単に諦めてはいけないなぁと、しみじみ思いました。

オマケコーナー

だん吉エバのオマケコーナーということで、FEに付属してきたドライプ保護シートのデザインを元に、こんなの作ってみました。配送のたびに気になっていたので・・・^^;

ドライブシート

ちょちょっと作ってみました^^

インクジェット用で、一番厚い紙にプリントして、それでも少し弱いので、紙を2枚重ねて圧着。そこからは手作業で切り抜きました。なかなかいいでしょ^^