濃緑色の消しゴムキーボードに惑わされ…National JR.100
深夜のオークションは危険だ!
先月のこと。なんの考えもなくオークションにて「JR-100」を入手してしまった。
JR-100をご存知無い方に簡単に説明すると、1981年にNational(現Panasonicから発売されたパソコン入門で、ウィキ先生によると「目の粗いグラフィックやキャラクタグラフィック、白黒表示、最低限のサウンド機能だけを装備した低機能かつ低価格のパソコンである。」らしい。
“らしい”というのは、パソコンを触り始めた1982年当時、近辺でJR-100をほとんど見かけることはなく、ぶっちゃけ何の思い入れもなかったからだ。
唯一の接点と言えば横浜に存在していた情報処理専門学校の“誰でも触れるマイコンコーナー”にJR-100が設置されていたことくらいで、それもほとんど使うことはなく、いつも使うのは、もう一台のパピコンだった。
その程度の知識と接点しか持たなかったのだが、ちょっとだけ"濃緑色の消しゴムキーボードがかわいいなぁ”と思ったのが運の尽き、そのまま勢いで入札してしまい、結局けっこうなお値段で落札してしまったのである。
電源スイッチがない!
まぁ、いつまでもグジグジしていても仕方がない。届いたJR-100を開封し、早速愛用のPC-TV452に接続してみる。この世代の入門機といえば、大抵はRF接続だがJR-100は奇跡的にコンポジット端子がついていたのはありがたい。というか、そんなことも確認せずに入札してしまったのかと、またまた気落ちするが、ともあれスイッチオン!
と、思ったら本体のどこにも電源スイッチがない! ああ、バカでかい電源ボックスについてるのかなと思いきやこっちにもない。もしやACソケットの抜き差しで電源をオンオフするのか?と、色々調べてみるもどうも思い通りの回答が得られない。JR-100は入門機のくせにやたらとハードル高いマシンだった。
スイッチの件はひとまずおいといて、各種ケーブルを接続し、コンセントにプラグをイン! ・・・・そうだね、つかないよね・・・orz
“動作未確認”って書いてあったもんね。オークションではAV端子付きのパソコンで動作未確認ということは、“動かない”ことを意味しているんだよね。いつもなら冷静に判断して入札するはずなのだが、やはり深夜のオークションは・・・(以下略)
電源ボックスが怪しい!
パワーオンしない状況で一番疑わしいのは、このバカでかい電源ボックスだ。さっそくパカリと開けてみると、おなじみのデカイコンデンサ(通称:デカコン)が並んでいる。幸いなことに、すべてデカコンで代替えを持っていたので、さっそく交換。同じ容量だというのに、30年もたつとコンデンサも小さくなるのね~。と、幾分スッキリした電源ボックスを再び閉じてパワーオン!
し~~~ん・・・。はい。つきません・・・orz
こうなれば本体基板(通称:マザボ)のパターンを丹念に追って、断線をチェックするしかないかぁ~。と、JR-100を3枚におろす。マザボとキーボードがフィルムケーブルでガッチリつながってる。どこかで見た構造だなぁ~と思ったら、以前、壊してしまったぴゅう太とまったく同じ構造だった。
恐る恐るキーボードを剥がしながら、まずはACのコネクタ周りをみると、普段は電源ユニット内で見かけるヒューズが2本刺さってるじゃありませんか。
ヒューズをスタンドの明かりに近づけて、老眼をゴシゴシこすりつつ見ると、2本のうち1本はヒュースが確認できた。しかし、もう一本はどうも切れてるっぽい。
老眼じゃこれ以上確認できないと判断。テスター当ててみりゃ一発でわかるはず。ということで、早速テスターを当ててみると、まさにビンゴ!
まぁ、今どきJR-100が発熱するほど使い込むヤツも居ないだろうということで、リード線を使って直結。再びスイッチ・オン! 出ましたでました。これ以上シンプルにできないだろうと思うほどシンプルなBASIC起動画面。
簡単なBASICを入力して動作確認。ばっちり動きました。ちょうど、キッチンハイター漬けにしておいたカバーも真っ白になったことで、組み立てがっちゃんこ。もともと傷もなく素性の良かった筐体だけに、新品同様とまではいかないけれど、けっこういい感じに仕上がりました。
せっかくだからベーマガで何かゲームでも・・・と思ったけれど、老眼の身にあの小さな文字を追って入力しろというはかなり困難な所業。すんなり諦めて、JR-100の新たなご主人さまを探す旅にでかけました。
今回もいい人にもらわれるんだよ^^