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FatMacフルメンテ大作戦!! 本体ディスクドライブ編

FatMacフルメンテ大作戦!! 本体ディスクドライブ編国内外のオークションサイトやフリマサイトを駆け巡り、キーボードやハードディスクなどのパーツをコツコツと買いそろえ、ようやくMacintosh 512Kモデルのフルセットを手に入れることができた。本当は初代の128Kモデルが欲しかったけれど、昨今の高騰でおいそれと手に入れられる値段ではなくなってしまった。パーツごとに手に入れただけあって状態もマチマチ。今回はMacintosh 512Kのセットが完全復活するまでのストーリーを二回にわけてお届けします。

まずはパーツの動作確認!

今回購入したセット内容は

Macintosh 512K本体
・外部フロッピーディスクドライブ
・20MBハードディスク
・キーボード
・マウス

の5点だ。それぞれ別途に購入したので外観も中身の状態もそれぞれマチマチだ。それぞれの動作確認は取れていないが、512K本体に関しては前情報として、「?」マークの起動まで確認されているらしい。とりあえず動きそうなので、最悪な状態というわけではなさそうだ。

さっそく本体から見ていこう。取り急ぎ電源コードを差し込み、すいっちょん!
古いMacは発火や発煙の可能性が高いので、毎度のことながら電源のオンには緊張が走る。“ポーン”というお馴染みの音が聞こえて、結構な時間が経過し、ようやくじんわりと画面が映し出された。FDDのエジェクションポートを覗くと、中が赤く光っている。オリジナルの400Kドライブが入っている証拠だ。

当時、オリジナル512Kモデルでは400Kドライブを搭載していたが、Appleから800Kドライブのアップグレートキットが販売されており、ドライブを交換しているユーザーも少なくなかった。もちろん機能的には800Kの方が便利に決まっているが、ビンテージの価値としてはオリジナル方が格段に上だ。

LEDの赤い光こそオリジナルの証だ

LEDの赤い光こそオリジナルの証だ

続いて用意しておいた400KフォーマットにてコピーしたSystem 1.1のフロッピーを挿入してみる。しかしすぐに「×」マークのアイコンが表示されてフロッピーが吐き出されてしまった。

それならばと、今度は外部接続用のフロッピーディスクドライブを接続して、こちらから起動する作戦に変更してみる。このモデルの外部FDDは128Kや512Kで使われていたモデルで400Kドライブ仕様だ。したがって、本体内部のFDD同様に電源を入れるとエジェクションポートの中が赤く光っている。

こちらも赤い光を見ることができた

こちらも赤い光を見ることができた

さっそく、先ほどのシステムディスクを入れようと試みるが、どうもうまく入ってくれない。どうやらドライブが下がった状態で固定されてしまっているようだ。つまりフロッピーは入っていないのに入っている状態で固定されてしまっている。

両方のドライブが使用不可という状況が確認できたので、それぞれを分解していくことにしよう。

ガッチガチのドライブ

まずは分解が簡単そうな外部FDDからばらしてみよう。分厚いケースを裏返して、ネジを外すと簡単にカバーを外すことができる。分解した状態でフロッピーディスクを入れてみると、ディスクが途中で引っかかってしまい奥まで差し込むことができない状況だ。

フロッピーが先に進まない!

フロッピーが先に進まない!

あちこちいじってみるものの、ガッチガチに固まっていてどこも動かない。どうやらグリースが経年劣化で固まってしまっているようだ。ペンチを使って力任せに動かしてみたがそれでも動かない・・・。

見た目はふつーでもガッチガチですわ

見た目はふつーでもガッチガチですわ

それならばと、まんべんなく無水エタノールを吹き付けて、綿棒で表面の汚れをゴシゴシ洗い流し、続けてCRC-556を各所にブシュブシュと浴びせかけるように吹き付ける。吹き付けてはペンチで隙間を作り、またそこにブシュブシュと吹きかけること小一時間。ようやくフロッピーを奥まで入れることができるようになった!

さらに同じ作業を繰り返し、なんとかスムーズに出し入れができるようになったところで先ほどのシステムディスクを起動させてみると・・・。
出ましたハッピーマック! 無事、Sysytem 1.1を起動させることができて、外部FDDと512K本体の動作を同時に確認することができた。

幸せのハッピーマック!

幸せのハッピーマック!

んん?何を入れても初期化されちゃうの?

システムが起動したところで、ふたたび本体に内蔵されたドライブの動作を確認。Macintosh Plusを利用して400Kフォーマットされたフロッピーディスクを512K本体の内蔵ドライブに入れてみると、初期化するかどうかのダイアログが表示されてしまった。

ん?と思い、再びPlusに入れてみるとこちらでは問題なく読み込むことができる。フォーマットに問題があった可能性もあるので、今度は市販されていたゲームを内蔵ドライブに読み込ませてみる。これも初期化を促すダイアログが表示された。
それならばと、今度は生フロッピーを入れて実際に初期化させてみることに。Initializeボタンを押してみると今度は「初期化できませんでした」の旨が書かれたアラートとともにディスクが吐き出されてしまった。
あれこれフロッピーを変えて何度も試してみたけれど、何を入れても「初期化しますか?」と聞かれ、初期化ボタンを押すとフロッピーを吐き出すというという、なんとも謎なトラブルに見舞われた。

初期化を促すダイアログ画面。何を入れてもこのダイアログが表示される

初期化を促すダイアログ画面。何を入れてもこのダイアログが表示される

こりゃGoogle先生にお伺いしなければ! あれこれ尋ねてみたものの、思うような回答を得ることができず迷宮入りかと思われたが、頼みの綱である「MAC虎の巻 ラリー・ピナ著 柴田文彦訳 BNN刊」を調べてみると、ありました。該当する症状が!
なるほど。どうやら“プレッシャーパッド”なるものがズレてしまっているらしい。つまったディスクを無理やり引っ張り出したりすると、プレッシャーパッドがずれて正しく動作しなくなることが原因のようだ。

まさにこれだ!

まさにこれだ!

ここにもRIFAが!

問題が特定できたところで本体の分解に取り掛かることにしよう。本体を分解している間、外部ドライブの外装は“キッチンワイドハイターEX”をたっぷりと塗って、天日にさらしてホワイトニングしておく。

512K本体の分解方法はMacintosh Plusとほぼ同じだ。今回は本体もホワイトニング予定なのでアナログボードを含めた完全分解をしておく必要がある。例のごとく、アナログボードの分解をする前に放電作業を忘れずに行い、安全を確認してからネジを外す。

Macintosh本体の分解は過去のブログを参照してください

Macintosh本体の分解は過去のブログを参照してください

と、ここで早速問題を発見。アナログボードを見ると過去にPlusで発煙の原因となったRIFAのフィルムコンデンサがあるじゃありませんか! 見たところ新しく、すぐに発火の危険性はなさそうだけど時限爆弾のようなものなので、交換は必須だ。前回、予備分も含めて購入してあったので、すぐに交換することができた。

にっくきRIFA製からポリエチレン製に交換!

にっくきRIFA製からポリエチレン製に交換!

■プレッシャーパッドはいずこ?

512KとPlusはほぼ同じ仕様だが、Plusに存在するアース線を兼ねたワイヤーが512Kにないなど微妙な違いはある。ドライブもPlusの800Kドライブに比べて400Kドライブは厚みがあるため、この辺にも微妙な違いが存在する。
その、ごつい400Kドライブを取り出し、カバーを外してプレッシャーパッドなるものを探してみるが、それらしきものがどこにも見当たらない。
磁気ヘッドと対になっているはずなので、この辺にあるはずなのだが、穴がぽっかり空いているだけだ。
もしやと思い、先ほど修理が完了したばかりの外部ドライブを見てみると、穴がぽっかり空いた部分に円形のフェルトがついたプレッシャーパッドがハマっている。
要はプレッシャーパッドが丸ごと欠落してるのだ。

ガビーン!プレッシャーパッドがない!!

ビーン!プレッシャーパッドがない!!

フロッピーディスクの磁気フィルムは柔らかいので、実は完全なフラットではなく若干の歪みがある。それを裏から押さえつけてヘッダに正しく接触させる役目をしているのがプレッシャーパッドだ。
これが欠落していることで、フロッピーディスク接触部分と非接触部分が生じてしまい、正しく読み込むことができなくなってしまっていたのだ。

外部ドライブに取り付けられているプレッシャーパッド

外部ドライブに取り付けられているプレッシャーパッド

困った時の綿棒作戦!

うーん・・・果たしてこんなパーツが売っているのかどうか。売ってますよーにと祈りつつeBayを検索してみると、ありましたw
あるにはあったが、送料含めると、なんやかやで6000円くらいになってしまう結果に。
必要不可欠とはいえ、さすがにこの値段はキツイなぁ…。
外部ドライブのプレッシャーパッドを内蔵ドライブにつけかえて、外部ドライブは飾りにするか…などなど、色々なことを考えていると、あるアイデアが閃いた!

「ようは柔らかいフェルト状のもので抑えてあげればいいんだよな。」という考えに至り、道具箱をあれこれ探していると、ありました。最適なものが!
PC-6001mkIIのキーボード修理にもお世話になった「綿棒さん」。これの先端を切って穴にはめればいーんじゃない?

というわけで、さっそく綿棒を適当な長さでチョッキンと切って、先っぽを少しほぐしてワシャワシャにすればプレッシャーパッドになるんじゃね? ということで、さっそく試してみると、あらピッタリ! 綿棒の軸もプレッシャーパッドの穴にちょうどぴったりとハマり、かなりいい感じに仕上がった。

まさにピッタリ!

まさにピッタリ!

完全分解された512K本体を急ぎ仮組して、スイッチを入れると、じゃじゃーんと読み込んでくれました! フロッピーの初期化も無事に完了し、ファイルのコピー、削除も問題なくできるようになり、512Kの完全復活となった。残るはハードディスクのみとなったわけだが、果たして無事に動いてくれるかどうか…。

ちゃんと動いてます!

ちゃんと動いてます!