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ボロボロマシンをなんとか復活! PC-6601

PC-6601

久しぶりにPC-6601が我が家にやってきた。見た目はボロボロで全体がホコリまみれ。ついでにキーボードも汚れまくっている。電源も入らず、正直触るのだってためらわれる状態だ。まぁ、そんな状態だからこそ格安で手に入れることができたので、久しぶりにPC-6601のメンテナンスをやってみることにしよう。

直線的なデザインでコンパクトに仕上がったPC-6001mkIIのデザインは大好きで今でも大切に使っているのだが、ドライブを無理やり追加させたようなデザインがどうにもダサく見えて好きになれなかった。
もちろんドライブ付きは便利なのだが、それでもPC-6001mkIIの代わりにしようとは思わないのは、このデザインが原因のひとつだ。それに加えてディスク版のゲームが少なく、たまにオークションで見かけてもかなりの高額になるというのもPC-6601の大きな欠点としてあげられるだろう。

だが、デザインを踏襲したおかげでキーボードやネジ類など、多くのパーツをPC-6001mkIIと共有しているため、予備パーツも簡単に手に入れられる。この辺は実にありがたいマシンでもある。

まずは電源周り

兎にも角にも現状確認から行ってみよう。電源を繋げて、さっそくスイッチオン。前情報の通り通電は確認できず。ケースには小キズが多く、キーボードはホコリまみれ、おそらく反応しないキーもたくさんあるだろう。

まずは電源周りからなんとかしてみようかと思う。PC-6001mkIIにおいて電源が入らないケースでの考えられる主な原因は3つ。

①電源ユニットのコンデンサ異常
②電源ユニットのヒューズ切れ
マザーボードタンタルコンデンサの異常

とくに注目は③のマザーボードにある3つのタンタルコンデンサの異常だ。

電源ユニットからの電気をマザーボードへ供給するコネクタ付近に3つ並んだタンタルコンデンサがある。このコンデンサを交換するだけで、大抵のPC-6001mkIIおよびPC-6601は動くようになるのだ。

タンタル

問題のタンタル三連チャン。ここを取り替えるだけで大抵は動くようになる

まずは本体裏にあるネジを外し、フロントパネルを開ける。フロントパネルにはフロッピーディスクドライブやパワーランプケーブルなどが接続されているので、これらに注意しつつ持ち上げよう。
続いてキーボードのコネクタとネジを外し、キーボードをユニットごと取り外す。同じ要領で電源ユニット、RFユニットなどを外せば、マザーボードへのアクセスはわりと簡単だ。

パネルオープン

フロントパネル側にフロッピードライブなどが装着されているので開ける時に注意だ。

パワープラグすぐ下にある赤丸で囲んだ部分が件のタンタルコンデンサである。電源が入らない場合は、まずはこの3つのコンデンサを交換してみることから初めてみよう。画像はPC-6601のものだが、PC-6001でもパワープラグのすぐ下あたりに3つ並んでいるので、すぐにわかるはずだ。無事交換が完了したところで、スイッチオン。見事起動画面を見ることができた^^

起動画面

これでまずは一安心。でもちょっと赤みが強い?

画面がちょっと赤みがかかっているようなので、RFモジュールの中を開けて明るさ、コントラストの調整を行ってみる。精密ドライバで回せるようになっているので、画面を見ながら、ちょうどいいように調整してみよう。ついでなので、RFモジュールのコンデンサも交換しておく。

RFモジュール

RFモジュールの中身。精密ドライバで回して調整してみよう。

6001といえばキーボード問題

さて、お次はキーボードだ。PC-6001mkIIといえば、キーボードの不具合の多さで有名なマシンだ。これまでに中古で手に入れたPC-6001mkIIの大半は何かしらの不具合があった。まともにキーボードが動いてくれたのは、1台くらいだったかと思う。

さっそく映るようになったマシンの電源を入れて、どのキーが反応しないかをチェックしてみたところ、問題なく反応するのは半分くらいしかなかった。覚悟はしていたものの、その数に驚かされる。

キーボード

今回、ダメ出しされたキートップ。半分くらいダメだったorz

今回も綿棒を使った簡易的な修復方法を採用する。キーボードの詳しい修復方法については過去のブログを参照してもらいたい。

yakyu-ken.hateblo.jp

ところが、綿棒修理法でも反応しないキーが2つばかり存在した。おそらく内部端子が錆びているなど、極端に通電しづらい状況にあるのだろう。そこで、予備パーツとして保管していたキースイッチと交換することにした。

代替えキートップ

何でも取っておく。これが基本!

予備のキースイッチの中にも反応しないものがいくつか存在しているはずだ。当たりを引くかハズレを引くか運試しとなる。幸いにも反応テストで問題なかったので、どうやら当たりを引いたようだ。ハンダ付けして固定すれば、キートップはすべて問題なく作動するようになった。

キー画面

すべてのキーが普通に使える。6001ではありがたいことです。

FDDエミュでドライブチェック

電源、キーボードと修復が完了したら、お次はフロッピードライブ。まずは分解されたままの状態でFDDエミュレーターを使ってマザーボードFDDコントローラーに異常がないかどうかをチェックしてみよう。

普段は88につないで動作チェックなどに利用しているFDDエミュレーター6601FDDコネクタに繋いでみる。ディスクイメージは借り物だ。とりあえず基盤から直に繋いで起動してみると問題なく動作した。これでマザーボードは完璧な状態となった。

FDD動作確認

有名なゲームが動作している。なぜ持ってるのかは聞かないで;;

システムディスクの作成とドライブの動作チェック

組み立てを完了して、最終的な動作チェックを行うのだが、6601でフロッピーをフォーマットするためのユーティリティディスクを持ってない。前回PC-6601を購入したときはユーティリティディスクや付属のアドベンチャーゲーム「コロニーオデッセイ」などすべてがセットになっていたのだが、今回は自前で用意しなければならない。
PC-6601はこれらのユーティリティディスクがないと、ディスクモードで起動すらできないのだ。

幸い、検索するとPC-6601でディスクのフォーマットができるプログラムを公開してくれている人がいるので、早速プログラムを打ち込み、3.5インチのFDDをフォーマットすることができるようになった。ドライブも問題なく動作した。
本来、PC-6601は1Dのディスクを利用するのだが、今どき3.5インチの1Dなど入手は不可能に近いので、代替えとして2DDや2HDも利用可能なようだ。

簡単なプログラムを入力して保存と読み込み、削除のテスト。バッチリ!

かなりボロボロな状態から、どうにかここまでリストアすることができた。通電不可の修復やキーボードの修復などはPC-6001mkIIでも応用可能なテクニックなので、ぜひ試してみてもらいたい。

今回も良い人にもらわれていきますよーに^^