レトロ好きでもいいじゃない

おっさんのおっさんによるおっさんのためのページ

キーボードを修理せよ! PC-6001mkII編

キーボードメイン

前回に引き続き、今回もキーボード修理のお話。しかもPC-6001mkII編。

PC-6001mkIIはPC-6601を含めて6回ほどメンテしたけれど、そのうちの5台が見事にキーボードに不具合が生じてるというものだった。

PC-6001mkIIにおけるキーボードでの不具合は押しても反応がないキーがちらほらと存在するのが特徴だ。原因はすべて“ラバードーム”の劣化によるものである。
PC-8801キーボード編でも紹介したが、昔のメカニカルキーボードでは、カップ状になったゴムがキースイッチとして採用されている事が多く、このゴムが経年劣化によって、張力を失い、正しくキーを押し戻せない、あるいは押せないことがトラブルの原因となる。

ラバードームを新品に交換すれば問題は解決するのだが、話はそう簡単ではない。まず、ラバードームが入手できない。現在のメカニカルキーボードの多くはスプリングが採用されている。たまに売っているのを見かけてもサイズが異なる。

次に、構造的にラバードームの交換ができない。PC-6001mkIIなどはまさにこれで、キースイッチにハメ殺しとなっているため、古いものを外して新しいものと交換できないのだ。交換するならキースイッチを丸ごと交換することになる。

以上の点から、なかなか難しいキーボードの修理だけど、PC-6001mkIIに限ってはとっておきの裏技があるのでご紹介しましょう~

綿棒でキーボードを復活!

用意するのは100均で売られてる綿棒のみ。できれば軸が紙でできてて、少し太めのやつ。あと綿棒を切断するニッパーも用意しておく。そして、あらかじめどのキーが反応しないかなどを調べておくこと。

まずはmk2を分解して、キーボードを取り外す。裏蓋にあるネジをちょちょっと外せば簡単にフロントパネルが取れるので、あとはキーボードコネクタを外すだけだ。キーボードユニットを裏返すと大量のネジが止められているので、これを外す。すると、基板とキートップ部分に分離できる。ケーブルが結束バンドで止められているので、これもはずそう!

60キーボード

キートップ部分を外したキーボード

ここで100均で購入した綿棒の先の部分をニッパーでカット、そして、先端部を反応がないキーのキートップの穴の中に差し込む。綿棒の先っちょが、ちょっとはみ出すくらいの長さに調節するのがポイントだ。作業はこれで終了。あとは再び大量のネジを止めて、ケーブルを接続するだけ。

綿棒修理

キートップの穴ぼこに綿棒を差し込むだけ!

ようはラバーカップの張力が弱まり、基板との接触が悪くなった分、キートップを少し長くして、より深く押せるようにしただけだ。単純な修理方法だけど、効果は抜群なので、ぜひ試してみて欲しいっす^^

さらに上行く修理法とは!?

綿棒チャレンジが一番手軽で確実なキーボード修理方法だが、確実に直したい。もうキーボードで悩みたくない!という方は、キースイッチの交換という最終手段も用意されている。

残念ながら、ラバーカップを利用した60mk2とまったく同じキースイッチは、もはや販売されていない。いや、正確には販売されているのだが、サイズが合わないのだ。
そこで代用品を探しまくったところ、かなりサイズが近いものがAliexpressで販売されていることが判明。さっそくお取り寄せてみた。

キーセット

届いたキーセット。カチカチとうるさいが確実に押されてる感はある

待つこと2週間。ようやく届いたキースイッチはカチカチと硬めの感触だが、確実に押されている感がある。サイズは左右が2mm程度小さいだけで高さもマッチする。とにかく一つ交換して動作確認すると、しっかりと打鍵できた! これはいける!

あとはえっちらおっちら、ひたすらハンダを吸っては外して、吸っては外してを繰り返す。ようやくキレイに外したら今度は、えっちらおっちら付け替える作業を繰り返した。貴重な夏休みを一日使ってようやくすべてのキーセットを交換することができた。

交換済みキーセット

すべてのキーセットを交換できた!

カチカチと打鍵の音がちょっとうるさいのと、やはり押した感じが固いのがちょっと気になるけれど、それでも確実に60mk2でキーが押せるということと、この先壊れる心配がなくなったのは大きいかもしれない。

お値段も100個で1000円程度と手頃だし、60mk2のキーボードに不安を抱えている人は、ぜひチャレンジしてみてもらいたいっす^^