レトロ好きでもいいじゃない

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ボロボロFAをなんとか復活!

PC-8801FA

初めてのPC-8801FA

これまで多くの88を扱ってきたが、今回送られてきたFAはこれまでで一番キョーレツな88だった。ドライブは片方抜かれていてぽっかりと穴が開いてるし、コネクタ周りはサビだらけ。挙げ句の果てにはフロントパネルの一部が割れていると、まったくいいとこなしの状態だ。

PC-8801FAはFH/MHではオプションだったサウンドボードが内蔵されているモデルだ。サウンドボードにはあまり興味はないが、最悪パーツ取りとして、せめてドライブだけでも生きてくれば御の字だと思って、ついつい手をだしてしまった

ともあれ、我が家に到着後、さっそく開封してみると事前説明の通り、かなり汚い…。アナログRGBコネクタの周りは一層サビがひどく、我が家のTV-452につなげるのが嫌になるほど。さっそく“接点復活スプレー”を吹きかけて、いざスイッチオン!

事前説明では電源を投入してもランプが光らず、動作しないとのことだったので、てっきり、何の反応がないと思っていたら、ブーン!と勢いよくファンが回り始めた。けれどフロントの電源ランプは真っ暗なままで、モニターには何も映らなかった。

これはもしやと思い、電動ドライバーで要領よく両サイドのネジをはずし、これまた錆びついた天板を外すと、やはり予想通り電源コネクタが外れていただけだった。
電源コネクタ部にまたもや接点復活スプレーを吹きかけ、もう一度電源を入れてみると、今度は見事にN88-BASICの起動画面が映し出された。マザーボードは生きていたのだ!

お次はドライブ。いつもならば動作確認に「シルフィード」を利用するのだが、なにせ片肺しかない状態なので、1ドライブでも起動する「グラディウス」を走らせてみる。
コトコトコトッという心地の良い回転音とともに、画面にグラディウスが映し出された。FM音源も無事に確認されて、結局のところ、ボロボロで瀕死の状態だったFAは問題なく起動させることができた。

サビ落とし

動くとなれば話は別だ。FAはパーツ取り要員からレストア要員に昇格した。とはいえ全体的に汚いし、あちこちに傷も見られる。それに良くみるとマザーボードには、悪名高い二次電池が装着されたままで、コンデンサの液漏れも確認できた。動いただけでも奇跡なシロモノだ。
まずはフロントパネルだけでもキレイにしてやろうと思い、風呂場でごしごしと磨いたあとに巨大ジップロックにくるんで、キッチンワイドハイターEX漬けに。幸い天気だったので、1時間もすると白くなった。

入念にマザーボードの汚れを落とし、コネクタ周りのサビを削った。そして、いつものように古い二次電池を除去して、新しく購入した樽型電池を設置する。88で使われているのは2.4v50mAのニッカド電池だが、いまはこのタイプのニッカドがないので、最近では2.4v80mAのニッケル水素で代用している。
コンデンサは先日「wish」で大量購入したもので、ほとんど賄うことができたが、意外に数が多かったので、交換が大変だった;;

コンデンサ交換

ブラックジャックな見た目に!

さて、問題はぽっかりと穴があいたドライブだ。我が家には予備パーツとして88mkIIで使われていた2Dのドライブが2つと、ブラックFHに使われていたドライブが2機保管してある。88mkIIのドライブの型番は「FD-BR55-06」で、ブラックFHは「FD-BR55-025」だ。ちなみにFAでは「FD-BR-55-320」が使われていた。

はじめに88mkIIの「FD-BR55-06」をつないで見る。うんともすんとも言わずに即ROM-BASICが起動した。続いて、BFHの「FD-BR55-025」を繋いでみた。すると無事にシルフィードを動作させることができた! これでドライブ問題は解決。

さらにFDDのフロントベゼルも予備を持っていたので、これに換装。実際にはMA用なので、ランプ部分が透明になっている。FH、FAは2D専用機なので、ランプは赤なのだが使用には問題ないので、白で統一することを優先とした。

一番の問題はFDDレバーだ。これは白の予備を持っていなかったので、仕方なくBFHのものを装着した。ブラックジャックのような筐体になってしまったが、これだけのためにパーツを購入するわけにはいかなかった。

 

FDD

レジンでカッチカチ!

あちこちに小キズがあるが、一番大きなのはフロント右下にある割れだった。放っておくとさらにひどくなりそうな割れなので、何らかの手段で塞いでおいたほうがよさそうだ。
最初はパテを使おうかと思ったが、先日購入したレジンを試してみることにした。

レジンは100円ショップで購入したもので、ゲル状になっているので、形に合わせて垂らしやすいのが特徴だ。これを裂け目に垂らし、押さえつけてから、紫外線のペンライトを当てる。するとものの3分もしないうちにカチカチに固まるから不思議だ。
初めて使ってみたので、多少見た目が良くないが、少なくともこれ以上裂け目が広がることはないだろう。

レジン

どうにかこうにか組み立てて、最終確認をしたところ動作には問題なかったが、リセットボタンが効かないことが判明した。リセットボタンを押しても、リセット前の画面に戻ってしまうのだ。まぁ、これは電源を入れ直せば解決する問題なので、さほど気にすることもないだろう。
とういわけで、ボロボロの状態から、なんとかゲームで遊べるくらいにまでレストアすることができたわけだが、新品が購入できない現在、レトロPCはどんな状態であっても貴重だ。ネジ一本でも無駄にはできない。予備機、パーツ取りを求めて今日もネットを徘徊するのであった。

【塩ゲーレビュー】ファンキーモンキー(ポリシー)

ファンキーモンキー

しょっぱいのはお好き?

突然だが、自分は“しょっぱい”ゲームが好きだ。

パチもん臭がぷんぷんと漂う、“しょっぱい”としか表現しようのない、そんなゲームに悲哀を感じてしまう。そして、当時は見向きもしなかった“しょっぱい”ゲームたちを勝手に“塩ゲー”と呼び、今ではひそかに収集している。

今回紹介する“ファンキーモンキー”もお気に入りの塩ゲーのひとつだ。

パッケージ裏面に印刷されたサンプル画面を見れば、かの名作ロードランナー”のパクリであることは一目瞭然。パッケージに描かれたサルのイラストといい、漂う“塩ゲー臭”に、ゲームに飢えていた少年ですら手を出しかねていた一品である。

盆暮れ正月の長い休みに入ると、馴染みのレンタルソフトショップでは、大抵のソフトがレンタル中となるが、この“ファンキーモンキー”だけは誰からも見向きもされずに、棚の奥底で借り主をひたすら待ち続けていた。

ただ、オリジナルのロードランナーにはない、画面の一部を隠すように配置されていた赤い四角のエリアがすごく気になっていたことは確かだ。

あれから30と数年。そんなゲームもあったことなど、すっかり忘れていた矢先に、たまたまファンキーモンキーを手にする機会に恵まれた。あの時、疑問に抱いた赤い四角の謎が今明かされるのである。

変態的なオペレーション

さて、このゲームの主役はタイトルのとおり“モンキー”である。ある日動物園から抜け出したひょうきんもののモンキーを操作し、飼育員をうまくかわしつつ迷路上に置かれたすべてのりんごを獲得すれば1面クリアだ。

ファンキーモンキー画面

基本的なルールは見たまんまロードランナーと一緒なので、すぐに理解できるはずだ。
だがしかし、そこはパチもん臭のする塩ゲー、一筋縄では遊ばせてくれない。問題はキー操作にあった。

PC-8801を始めとする、当時のパソコンゲームの多くはテンキーでキャラクターを操作するのが定番だ。テンキーの2,4,6,8は常にジョイパッド代わりに利用されている。
ところがファンキーモンキーでは、大方の予想を裏切り「J,L,I,K」キーによってキャラクターを操らなければならない。テンキーのなかったApple IIじゃあるまいし、なぜこのキーアサインにしたのかが謎である。

1万歩くらい譲ってテンキーを使わないのはまだ許せる。自分の左右に穴を掘るキーは常識の範囲内で考えるのなら「Z,X」キーが妥当だと思うのだが、ファンキーモンキーではU,Oキーを使わなければならない。つまり、片手でキャラクターの移動と穴を掘るオペレーションの両方が求められるのだ。

操作キー

モンキーちゃんの操作キー。実に変態的だ・・・

しかも、このファンキーちゃん、もといモンキーちゃんは一度動かすと、止まることを知らず動き続ける。ゆっくり考えるヒマも、手元を確認する余裕もなく、ただひたすら画面を駆け回りりんごをゲットしなければならない。脳が劣化したおっさんには、かなり厳しいゲームだ。

赤い疑惑・・・

さて、そしていよいよ積年の謎であった「赤い四角の謎」について迫ろう。もちろん本家ロードランナーには、このようなベタ面は存在しない。まず重要な点は、自らこの赤いベタ面エリアに突入するとモンキーは死んでしまうということだ。

では、どのように利用するのか。それはベタ面を移動させることで、モンキーちゃんを隣接するエリアにワープさせることができる仕組みになっていたのだ。

ベタ面を移動させると、ベタ面の移動先にモンキーが居た場合にモンキーはベタ面が元にあったエリアに転送される。この機能をうまく利用することで、通常ならば取ることのできないエリアにあるりんごを取ることができる仕組みになっている。

赤いベタ面エリアはキー操作によって移動することができる。Eキーを押すとベタ面は下に移動し、Dキーで上に移動する。Sは右でFが左だ。

「だがしかし、まてよ・・・。赤いベタ面を上に移動させたかったら、普通“E”キーだよな・・・?」 

右手によるモンキーのワンオペに加えて左手でのベタ面移動、しかも左右上下が逆というトラップ。ロードランナーもどきと舐めてかかってくるユーザーをバッサバッサと切り倒してくれます。

噂のワープエリア

これが噂のワープエリア・・・移動キーが実に変態的だ

「訴えられないために、オリジナルにはない機能を、無理くり付け加える必要があったんだろうなぁ」とゲスな勘ぐりをしてしまうが、そんな余計なルールを考えるくらないなら最初からオリジナルのゲームを作ればいいのにと、ついつい考えてしまうのはイケないことだろうか・・・。

後付けの言い訳か、はてまた仕様か・・・

他にも落とし穴がないかどうか、マニュアルをよく読んでみることにしよう。マニュアル・・・と言ってもワープロでプリントされたコピー用紙が1枚、同封されているだけなのだが、謎だらけなゲームには、無人島でのサバイバル教本なみにありがたい。

その紙切れには「どうしても逃げられそうでないときは、絶妙のタイミングとテクニックですりぬけることもできます。」とある。

 「んん? どういうことだ?」

 試しに、わざと飼育員に向かってモンキーちゃんを操作すると、たしかに何回かに一回は当たり判定を無視してすり抜けることができた。
何かのタイミングがあるんだろうけど、その謎はついぞ解明することができなかった。というか、そこまで、このゲームをやり込む気力はなかった。

クリア画面

すべてのりんごを取ると、ワープエリアの色が水色にかわり、ここに飛び込めば面クリアだ

総評

30数年越しに、初めてプレイした“ファンキーモンキー”だったが、実はそんなに悪いゲームではないと思った。見た目がそのまんまロードランナーなので、パチクローンに思われがちだが、実際にプレイしてみると、ワープエリアをうまく使わないとクリアできない面があるなど、ロードランナーよりも遥かに厳しく、考えさせられる内容になっている。
まったく違うゲーム・・・とまでは言えないけれど、まったく同じとも言えない不思議な感覚を味わうことができるだろう。
機会があったら、ぜひ試してみてもらいたい1品だ!

ファンキーモンキー

メーカー:ポリシー
発売価格:8,800円
対象機種:PC-8801

しょっぱい度:★★★★☆
操作性:★☆☆☆☆
難易度:★★★★☆
オリジナリティ:★★☆☆☆

ぴゅう太~さようならぴゅう太

ぴゅう太トップ

予想以上のボロさ

レトロPCは高い。高いから安いものを求める。安いものは壊れている事が多い。壊れているから直す。しかし、必ずしも直せるわけではないわけで・・・。今回、ご紹介するぴゅう太もその一例だ。ぴゅう太の中古相場価格はだいたい1万円前後なのだが、“使ってみたいけど、そこまでの値段を出すほどじゃないなぁ~”と、常々思っていたところに、たまたま相場の1/3程度で手に入れることができた。ところが件のぴゅう太、外装はボロボロでキーの半分は認識しない。覚悟はしていたもののあまりにもヒドイ状態の代物だった。

ぴゅう太02

さっそく我が家のPC-TV432に繋げて起動したみたところ、しっかりと起動画面が表示された。リターンキーを押すとBASICモードに移行することもできた。
ぴゅう太は中学生時代に友人の“スコさん”ことスズキくんが購入したマシンで、何回か遊ばせてもらった記憶がある。当時は、彼がなぜぴゅう太など選んだのか謎だったが、彼がぴゅう太を購入したすぐ後にMSXが発売されて盛大に嘆いていたところを見ると、どうやらあまり考えずにぴゅう太を選んだようだ。

ぴゅう太03

ぴゅう太の特徴はなんと言っても日本語BASICである。「GOTO」は「イケ」、「FOR~NEXT」は「マワレ」と、敵性言語を禁止していた戦時中のプロ野球のようだが、子供心には機械に命令してる感があって、かっちょいいと思ったのも事実だ。ぴゅう太を手に入れたかった理由も単に日本語BASICを使ってみてみたかったからである。

となれば、やはりキーボードを直すしかないだろう。ついでだから外装もキレイにしたい。いつものようにホワイトニングして~と思っていたが、あちらこちらの塗装が剥げてホワイトニングじゃどうにもならないレベル。なので、今回は初めてリペイントにチャレンジした。

分解を前提としてない造り

リペイントするには、兎にも角にもバラすしかないのだが、ここまで、チープPCの分解はMSXツインファミコンの経験があるが、ぴゅう太ほど分解、メンテナンスを考えてないマシンはなかった。分解には破壊する覚悟が必要なようだ。
ぴゅう太には、予想通りフィルムキーボードが採用されていた。これはメカニカルキーボードでは、固い基板上に回路がプリントされているのに対し、キーボード基板がフィルム状になっていて、ゴム状のキートップが押されることで通電される仕組みになっている。

本体のコネクタにフィルムの一端が挟まっているのだが、まぁ、これが外れない・・・。薄いプラスチックだけにあまり乱暴に扱うと簡単に破けてしまうので、仕方なく、はんだ付けされているコネクタを外すことにした(これが後にとんでもないことになる)。

ぴゅう太04

どうにかこうにか、コネクタごと除去し、キーボードがついたフロントパネルを外すことができた。
ぴゅう太のフィルムキーボードはMSXとはまた少し違った仕様で、フィルムがミルフィーユ状に重ねられていた。一枚目のフィルム、板、二枚目のフィルムがシールのようにぴったりと圧着されていて剥がすことはできない。
MSXなどでは、フィルムに接点復活スプレーを塗布したり、接点となる箇所に鉛筆でこするなどの技が使えるのだが、これではその技も使うことができない。メンテナンス性がまったく考えていない造りだ。

ぴゅう太05

なかなか吸い取れないはんだ

小さな電源部のコンデンサをチェックすると、液漏れが確認することができた。おそらくキーボードの不具合もこれが原因だろうと、とりあえず手持ちのコンデンサを交換。ソケットで取り外しができれば簡単なのだが、いちいちはんだ付けされているので、交換も一苦労である。
しかも、回路上に開けられた穴が極端に小さいのだ。コンデンサの足を入れたらほぼ隙間がない。隙間がないので、はんだの吸い取りうまくできない。吸い取らないから時間がかかり、回路に大きな負担をかけてしまった。

手元にないコンデンサをネットで注文して届く間、ちょうど、買い置きしていた100均のスプレーがあったので、天気の良い日を見計らって、吹きかけることに。塗装はまったくのド素人で、どうにも素人くささは否めないが、それでも元のボロボロな状態よりは遥かにマシになった。

ぴゅう太06

いざスイッチ・オン!

注文していたコンデンサも無事に届き、キレイになったフロントパネルとキーボードもコネクタごと付け直して、いざスイッチオン!

・・・何も映つら~ず・・・

原因はおそらく、はんだの吸い取りに時間をかけすぎ、回路を痛めてしまったのだろう。とくにキーボードのコネクタを外すのには大変苦労した。熱でチップが壊れたか、どこかの部分が断線したか、詳しくはわからない。もはや再分解、検証する気にもなれなかった。

ぴゅう太07

修理をしたつもりが、かえって破損させてしまうなんてことはレトロPCを扱う上では日常茶飯事だ。残されている資料が少ないレトロPCだからこそ、トライ・アンド・エラーで経験を積んでいくしかないのである。わかってる、わかってるけど、動かなかったときの喪失感は、やっぱり半端ないなぁ~(涙)

ぴゅう太コンデンサリスト

大した数ではないけれど、何かのお役に立てば・・・

電源ユニット部
10v 47uf 1
470uf 1
25v 10uf 1
47uf 1
100uf 1
220uf 1
1000uf 1
160v 100uf 1
マザーボード
25v 10uf 3
100uf 3