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88界のラストエンペラー PC-8801MC ~分解編~

PC-8801MCのフロントパネル

PC-8801MCとは?

PC-8801MCは88シリーズの最終形態であり、88で初めてCD-ROMを搭載したミニタワーモデルだ。しかし、時すでに遅し。CD-ROMを搭載したところで世の中の興味は16ビットマシンへと移り、対応ソフトはほとんどリリースされないまま、88シリーズはMCを最後に幕を閉じることになる。

当時、あまり売れなかったということは、現存する数が少ないということだ。その分、オークションでの価格に跳ね返り、2020年現在の相場は25,000円から上は50,000円程度という感じである。今後もますます高騰していくことだろう。

さて、MCは88シリーズの中で唯一のミニタワー型で、フロッピーを縦に配置した珍しいモデルである。なので横並びになれた88ユーザーは、ディスクを挿入する際にドライブ1,2の区別とディスクの裏表で大いに悩まされることになる。

MCの内部はコンポーネントにまとめられているので、分解も実はそう難しくはない。ただ、ネジが大量に使われているので、ネジを外すのに苦労することだろう。もっともそのネジはほとんどが共通のものなので、どこに使われていたネジだったけ?と悩むこともない。
機種ごとにパーツが異なるという仕様だった88も、MCに至ってようやくパーツの共通化という認識が生まれてきたようだ。

なにせ初めて手にするモデルで、しかも従来にはない形をしているだけに分解も手探りだ。あらかじめ、ネットで調べられるだけは調べたが、MCに関する資料はそう多くない。
こうした初めてのモデルを分解する際のコツは、ともかくマメに写真を残しておくことが重要だ。

ひとつネジを取っちゃ、パシャ!
パーツ取る前にパシャ!

あとで、このケーブルどこにつながってたんだっけ?なんてことにならないよう、篠山紀信なみにパシャパシャと撮りまくることが後の混乱を防ぐ手段となる。
以上のことを踏まえて、早速MCを分解していこう!

MCを4枚おろしにする!

まずは、どう考えても分解に邪魔なスタンドから取ることにする。一番簡単だしね。おっと。ゴム足がずれていたので、これもあとで直しておくことにしよう。

スタンドを取り外すと、サイドのパネルを止めているネジにアクセスできるようになるので、このネジを外すことでサイドパネルを取り外すことができる。

PC-8801MCのスタンド

次は、MCを立ててCD-ROMの取り外しを行う。フロントパネルを前にスライドさせて、CD-ROMをコネクタから外すように前にスライドさせると、簡単にCD-ROMを取り外すことができる。

CD-ROMの取り外し

CD-ROMを取り外すと天板に4つのネジが見えてくる。このネジと背面にある2つのネジを外すことで天板を外すことができる。

隠しネジ

MCのフロントパネルは爪で止められているので、爪を上手に外すことができれば簡単に取れるはずだ。ここで気をつけなければならないのは、フロントパネルにはスピーカーとパワーランプがついているので、慎重に外さなければならない。先にフロントパネルからスピーカーとパワーランプを外してもいいし、とりあえず本体につながっているケーブル・コネクタを外してもいい。
ただし、組み立てのときは必ずあらかじめ、本体とスピーカーケーブルはつなげておくこと。でないと、狭い隙間にケーブルを通して本体に接続するという、かなり困難な作業を行わなくてはならなくなってしまう。
これでMCを天板、サイトバネル、フロントパネル、CD-ROMの4枚におろすことができた。

MCの4枚おろし

内部の金属パーツを取り外す

冒頭でも言ったとおり、MCはコンポーネント構造になっているので、ここまで分解できれば、あとは難しくない。ネジに従って巨大な電源ユニットを外し、ドライブを外し、シャーシを外せばマザーボードまで、あと少しだ。
気をつけるのは、ネジが大量に発生するという点とMCはケーブルが多いので、どのケーブルがどこのコネクタにつながっているかをキチンと把握しておくことだ。そのためにも写真はコマメに撮影しておこう!

 

ケーブル類

シャーシ

PC-8801MCのマザーボード
以上。駆け足だけれどもMCの分解を解説してみた。次はパーツ交換などのメンテナンス編だ。ハンダとコンデンサの準備を忘れぬように!